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都議、都教委らの違法性を認めた七生養護学校事件判決

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 本年3月12日、東京地方裁判所で、七生養護学校での性教育に対する都議らの政治的不当介入を違法と認める画期的判決が下されました。

 事件は、日野市にある都立七生養護学校(「七生養護」)での性教育を巡って起こりました。03年7月2日、都議会で、土屋都議が七生養護の性教育で用いられていた教材を批判し、2日後の7月4日には、土屋都議、古賀都議、田代都議らが「視察」と称して東京都教育委員会(「都教委」)や産経新聞記者を同行して七生養護を訪れ、保健室で養護教諭2名に侮辱的な言動を行いました。翌日の産経新聞には「過激性教育」「まるでアダルトショップのよう」という七生養護の実態に反するセンセーショナルな記事が一方的に報道されたのです。7月7日、9日と都教委が七生養護に立ち入り調査を行い、9月と12月には七生養護の教員を含む多数の教員に厳重注意などの処分が行われました。そして教材も都教委によって持ち去さられ、現在も返されていません。

 そもそも、性に関する正しい知識を持つことは誰にとっても必要です。とりわけ、人間関係の取り結び方に長けておらず、性的知識に乏しい障がい児は、時に性犯罪に巻き込まれる危険があります。その意味で障がい児にとって、性教育は、社会の中で身を守り、人間関係を形成するための知識として切実に必要とされていました。教材を使用し具体的に学ぶことも障がい児教育には不可欠でした。子どもの実態から出発し、現場の教師・生徒が試行錯誤を続けて築いてきたのが、七生養護の性教育だったのです。

 七生養護への都議・都教委らの介入に対し、05年1月24日、東京弁護士会は、生徒の学習権及び教師の教育権を侵害する重大な違法があるとして、人権侵害が著しい場合に出される警告を発しました。そして、05年5月12日、同学校の教師、保護者らが原告となり、都教委、都議ら、産経新聞社を被告に提訴しました。

 約4年の審理を経て出されたこの判決は、①都議らが保健室に立ち入り養護教諭に侮辱的言動をしたことについて、教育に政治介入をする「不当な支配」(旧教育基本法10条1項)であると認定し、②都教委に対しても、本来「不当な支配」から教育現場を保護する義務があるにもかかわらずこれを怠ったとして、それぞれ養護教諭に対する賠償を命じました。③厳重注意処分については、性教育は創意工夫を重ねながら実践実例が蓄積され教授法が発展するのであるから、教員の創意工夫を萎縮されるような制裁的取扱は慎重にすべきとした上で、原告らが行っていた教育が学習指導要領に反していないことを詳細に認定し、厳重注意処分も違法として、都教委に賠償を命じました。

 この判決は、教育現場の創意工夫・自主性を尊重し、政治介入を断罪した判決としてわが国の教育裁判に画期的な一歩を刻んだものと言えます。この判決を受けて、原告らは、都教委及び都議らに対し、判決に従い今後は教育現場の自主性を尊重するよう申し入れましたが、被告東京都及び都議らは、裁判所から断罪された違法行為を反省することなく控訴しました。

 原告らも、被告らの行為の違法性をさらに明らかにし、教員が子どもたちと真正面から向き合って創意工夫あふれる教育活動をすることのできる学校、こころとからだについてのびのびと学習できる教育を取り戻すため控訴しました。

 この裁判は、子ども達の学ぶ権利と教員や親の教育の自由を守るための重要な裁判です。控訴審での勝利のために、全国の皆さんに一層のご支援をお願い申し上げます。

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