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ナショナルロイヤーズギルド訪問記

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 今年もナショナル・ロイヤーズ・ギルド(NLG)の総会に参加しました。「今年も」といったのは、かれこれ10年余りにわたってこの総会に参加してきたからです。NLGというのは1932年創立のアメリカの民主的な法律家団体の呼び名で、数千人の弁護士が加入しています。戦前からアメリカ人民のために平和と人権の旗をかかげて活動してきたのですが、戦後は吹き荒れる反共マッカーシズムと闘い、そして黒人の公民権運動の発展にも力を尽くしてきました。私たちの所属する自由法曹団とはこの10年間に交流がすすみ事件を一緒に解決するまでになっています。

 今年はミネソタ州ミネアポリスで開催されました。ミネソタ州は無数の湖があり、折しも紅葉の時期でしたが、残念ながら、私たちはそれを垣間見るだけでした。会議は大勢の人が参加する企画と興味のある人が参加する企画の組み合わせのなかで5日間進行します。いつも感心するのは、参加者がまず集中して人の発言をよく聞くということです。話をする人は聴衆をちゃんと見て、ユーモアを交えながらよどみなく語りかけます。会議のマナーを小さいときから学んでいるという気がします。

 さて総会の焦点はなんといっても、9・11以後大きく変わってしまったアメリカ社会の人権状況です。愛国者法で、イスラム系の人々が理由も告げられずに逮捕、拘留されています。その数は数千人に及ぶと云われています。私たちが滞在している間にもこうした関係者に会ってインタービューすることができました。9・11事件とは何の関係もない市民がひどい目に遭っています。イラク戦争を仕掛けたブッシュ政権は無辜の民を次々と殺していますが、アメリカ国内でもブッシュの下で苦しめられている人々がたくさんいるのです。NLGの弁護士たちはこうした乱暴な逮捕、拘留から無実の人々を救出し、本人と家族に不当な弾圧とたたかう気持ちを持ってもらうために懸命に努力しているようでした。刑事手続きについては厳しい人権規定のあると考えていた私にとって、今起きているこの無法状態はショックでした。

 戦後数々の人権侵害と果敢にたたかってきたNLGの文字通りのリーダー、アーサー・キノイ弁護士がこの総会を前に亡くなり、総会のなかで追悼式がありました。日本にも度々訪問して私たちの平和と人権のたたかいを強く激励してきた方だけに残念でした。もし、キノイ弁護士がこの総会に参加していたら、この無法の人権状況を前にいつものようにこぶしを高く突き上げて人々を鼓舞したのではと思うと悔やまれてなりませんでした。

 2001年2月ハワイ沖で米原子力潜水艦グリーンビルに水面下から衝突されて宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」が沈没しました。この事故で死亡した寺田祐介君の御両親もこの総会に同行して頂きました。この事件の賠償交渉を私たちとNLG弁護士が共同で解決したからです。総会で御両親は「平和な海をとりもどしたい」と訴え、参加したNLG弁護士から大きな拍手を受けました。平和を求めるひとりひとりの努力と勇気が大きな反戦の流れになることを願わずにはいられない総会でした。

(弁護士 鈴木亜英)

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