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京王電鉄バス運転士自殺労災事件で勝利判決

更新日:

 2月25日、京王電鉄バス(株)で働いていたバス運転士(以下「Aさん」といいます。)の自殺は、飲酒検知を契機とした上司の退職強要等が原因だったとしてAさんの妻が国を相手に労働災害と認めるよう求めた訴訟で、労災と認めなかった八王子労働基準監督署の処分を取り消す画期的な勝訴判決を得ました(東京地方裁判所民事11部)。
 Aさんは、2008年6月28日の出勤時(飲酒から16時間経過後)にアルコール検知器が反応したことを契機に上司による事情聴取を受け「自認書」を作成させられ、解雇を免れないとの思いから6月30日には自殺未遂を図りました。そのような状況のもと、Aさんは一切飲食をしていないにもかかわらず、7月4日の出勤時にアルコール検知器が再び反応したことにより、さらなる事情聴取と「自認書」の作成を強いられたうえ、上司による家宅捜査まで受けました。3日後、Aさんは、「アルコールチェッカーをすると思うと怖くて怖くてたまりません」との遺書を残し、妻と4人の子を遺して自死するに至りました。
 ところが、労基署は、上司による退職強要の事実は認められない、自殺はAさんの借金苦によるものであるなどとして労災を認めませんでした。
 東京地裁の判決は、7月4日の再検知はアルコール摂取が原因でないことを正面から認めたうえ、飲酒検知及びこれを契機とした事情聴取・「自認書」作成等の一連の出来事について、重大な仕事上のミスあるいは退職強要に準じるとして心理的負荷を認定しました。他方、借金等の心理的負荷は小さいとして、労災を認めました。
 突然一家の大黒柱を失った遺族の補償を認めるとともに、アルコール検知を契機とする一連の会社対応を痛烈に批判した点に極めて大きな意義のある判決です。また、運転労働について飲酒検知は必要ではあっても、アルコール検知を契機とする行き過ぎた責任追及や退職強要に警鐘を鳴らすものといえます。

京王電鉄バス運転士自殺労災事件・声明 (95 KB)

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