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圏央道あきる野土地収用事件に執行停止決定

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 あきる野市で、圏央道のための土地収用手続が進行していた事件に関し、2003年10月3日、東京地裁は、収用委員会の収用裁決の取消を求める訴訟(これを本案訴訟といいます。)の判決言渡まで収用手続による代執行の停止を認める決定を下しました。
 この決定の特徴として、(1)「公共の福祉に及ぼす影響」を過大評価をしなかったこと、(2)住まいの明渡しを強制される土地所有者(地権者)の不利益を適切に評価したこと、(3)本案訴訟で原告(地権者など)が勝訴する可能性を示唆したことが挙げられます。
 決定は、(1)について、ダイオキシン等で工事の完成時期も不明確で、収用対象の部分のみ急いで完成させる必要は乏しく、完成しない損失が年40億円という国の主張に根拠がないこと等を認め、執行停止で工事が中断してもその影響は軽微と認めました。
 次に、(2)について、決定は、財産的利益のみを取り上げ、その不動産に居住する利益を軽視する従来の傾向を批判し、居住の利益は憲法上の権利であり、特に「終の栖」として居住する者の利益は極めて重要で、金銭補償によって代替できないと認めました。
 さらに、決定は(3)に関し、本案訴訟で、公害のおそれがあるなど、圏央道事業が違法であるという原告の主張に関し、今の証拠を見る限り、事業が適法か否かについて疑問が払拭されたとはいえず、今後疑念が必ず払拭できるとも認められないと判断しました。
 今回の決定は、土地収用事件において執行停止を認めた例が希である中で執行停止を認めたという点で画期的であり、これまで司法が必ずしもチェック機能を果たしていなかった行政、特に公共事業、道路公害の問題についてきちんとメスを入れたもので、公共事業問題や道路公害問題に取り組む市民に大きな勇気を与えました。
 しかし、東京都知事らは不当にも東京高裁に即時抗告を申し立てました。
 そして、2003年12月25日、東京高裁第16民事部は、執行停止決定を覆し、代執行を容認してしまいました。高裁の決定は、明渡を要求される住民らの被害は金銭で補えば足りるとして一顧だにしない一方で、「公共性」に関する行政の主張を客観的証拠なく鵜呑みにする、行政追随の姿勢が現われた極めて不当なものでした。
 住民らは、直ちに最高裁に特別抗告及び許可抗告の申立を行い、最高裁で争いましたが、2004年3月16日、最高裁第三小法廷は、住民らの被害は金銭賠償で足りるという理由を挙げて住民らの申立を退け、高裁の行政追随を是認してしまいました。
 このような高裁及び最高裁の判断の不当性は、2004年4月22日に東京地裁が言渡した判決(TOPICSの別項をご参照ください)で代執行の前提となる事業認定及び収用裁決が違法と断ぜられたことにより、ますます明らかになったといえます。

(弁護士 伊藤克之)

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